皆様、偽札を作ると犯罪になるのはご存じですよね?
刑法にある通貨偽造罪ってやつです。
偽札を作ってスーパーで買い物したら捕まる。当たり前のことです。
ではなぜこれが犯罪になるのか?罪になるのか?
店員を騙したから?不当利得だから?
ちょっと違うんですね。
刑法に殺人罪があり、懲役・死刑など刑罰があるので人の生命が守られる。
同じように、この通貨偽造罪によって何が守られているのかを考えてみます。
ウィキペデア等々ネットなどで調べますと、通貨偽造罪によって守られるべきもの、保護法益といわれますが、
それは、「通貨の真正に対する公衆の信用」なんですね、「信用」、「信頼」でもいいです。
通貨に対する信頼が損なわれると経済活動に支障が生じかねない、
偽造通貨の流通はその国の信用も揺るがし国家転覆をも生じかねない、と書かれています。
お客さんの使うお金が本物か偽物かわからなかったら安心して商売もできません。
クレジットカードなどの電子決済が無い時代にできた法律ですから、
現金が本物かどうかは経済取引には非常に重要なことですよね。
偽札は通貨に対する社会の信用を失墜させる。
偽札を流通させることは通貨制度という資本主義経済の根幹を揺るがす犯罪なんです。
ところで、禁止薬物、アナボリックステロイドなどの筋肉増強剤、ドーピングによって作られた肉体…
これは偽札と一緒じゃないか?と私は思うわけです。
我々のボディビルの業界においては禁止薬物使用は、
マッチョに対する世間の信頼を失墜させるのものです。
ドーピングにはスポーツの公正性を損なったり、健康被害の問題がありますが、
ナチュラルで真面目に地道に努力して、美しくデカく強い肉体を創り上げた人物までも
「あの人たち、どうせ薬やろ?」と世間の皆様に疑われる、ステロイドユーザーたちのせいで。
一般人には見分けがつかないですから。それが許せないのです。
今のところ日本ではアナボリックステロイドなどの禁止薬物の使用は、個人で勝手に使う分には犯罪になりません。
オリンピックやスポーツの場で当たり前に禁止されているにも関わらず、です。何かおかしいですよね?
大麻や覚せい剤と同じように、法律で禁止されれば良いのにと思います。
ボディビル界におけるドーピング行為は筋肉偽造罪、懲役3年、保護法益は「マッチョに対する公衆の信用」
とか。